キャブレータをオーバーホールする

エンジン系

キャブレータをオーバーホールする

キャブレータを取り外す

エンジンを積む

腰上をオーバーホールする その2

腰上をオーバーホールする その1

Rクランクケースカバー交換その2

Rクランクケースカバー交換その1

エンジンをきれいにする

RCバルブをきれいにする

クランクセンターシールをチェック

シリンダ、ピストンを外す

エンジンを下ろす

ラジエータをきれいにする

エアクリーナエレメントを洗う

足回り系

フロントフォークをオーバーホール

ブレーキフルードを交換する

ブレーキキャリパをオーバーホール

ブレーキディスクを交換する

ホイルベアリングを交換する

Rサスペンション回りをきれいに

ステアリングステムをオーバーホール

フロントフォークを移植する

フロントブレーキパッドをチェック

外装系

グリップを交換する

キースイッチ等をきれいにする

カウルステー等をきれいにする

トップブリッジを鏡面仕上げにする

クラッチワイヤをきれいにする

ワイヤ類を外す

ステップをきれいにする

キックペダルのサビを落とす

ミラーを修復する

カウルをプラリペアで修理する

カウルをきれいにする

その他

パワーチェックをする

バイクを登録する

リミッターを解除する

バッテリーを交換する

ステアリングダンパーを付ける

アーシングする

エンジンを始動させる

チェーンを交換する

チャンバーをきれいにする

オーバーホールといっても基本はジェットニードルを対策品に換える他は、洗浄が基本。まずはチューブ類を切れないように全て取り外す。ドライヤーで暖めると外しやすい。88のキャブレータにはエアジェットをコントロールするエアソレノイド1個と、スロットル開度を検知するスロットルセンサが付いている。京浜製のTA20Aキャブレータ。

灯油にドブ浸けするためにスロットルセンサを取り外しておく。スロットルセンサは必ずステーごと外すのが指定になっている。ステーから分解すると角度の調整が狂ってしまうようだ。今回は左右のキャブ本体もステーで連結させたまま洗浄することにする。

まずは外観を灯油で洗浄。キャブレータクリーナーも使ってみたけれど、灯油だけで十分きれいになる。100円ショップにあった小さなブラシで細かい箇所の汚れも落とす。ドレンチューブや大気開放のエアベントチューブなども一緒に灯油で洗浄。ただ、エアアウトレットチューブ、エアインレットチューブ、オイルパスチューブなどは逆に汚れで詰まりそうなのでやめておいた。

フロートチャンバを3本のビスを緩めて外す。なめやすいので、念のためショックドライバーを使うといいかも知れない。

油面をチェックしておく。フロートバルブがガソリンを止めた位置のフロートの高さを計る。基準は13mm。狂っていたらフロートの金具を曲げて調整する。

フロートを取り付けているピンを手で抜き取れば、フロートとフロートバルブが取り外せる。バルブが傷ついているとガソリンのオーバーフローを起こす。バルブが当るバルブシートの方もチェックしておく。

まずはメインジェットをマイナスドライバーで取り外す。このメインジェットはエンジン回転数の75%〜100%域を受け持つパーツ。なめないようにサイズのあったドライバーを使う。88は、左が#130、右が#132。

メインジェットを外したらその下のニードルジェットホルダを8mmのメガネレンチで緩めて外す。中にはニードルジェットが入っているので、それも取り外す。※これらはジェットニードルを抜いてからの方がいい。

キャブレータ上部のフタを2本のビスを外して開け、スロットルドラムを手で全開状態にしておいて、ラジオペンチでセットプレート抜き取ればジェットニードルが取り外せる。キャブを逆さまにすればスルリと落ちてくるはず。

真鍮色をしたジェットニードル。88は、左がD(BPD)、右がE(BPE)。アルファベットの若い方を左に入れるのが決まり。あとで分りやすいというのが理由だと思う。このジェットニードルがエンジン回転数30%〜75%域を受け持つ。ジェットニードルの下にあるのがニードルジェット。ニードルジェットホルダを外せば、これが抜ける。

またキャブの下側に移って、スロージェットをマイナスドライバーで緩めて外す。スロージェットはエンジン回転数0%〜30%域の担当。88は#38。

その横のアルミのプラグを外す。この奥にパワージェットが入っている。アルミのプラグは特になめやすいので注意。溝の幅にあった極太のドライバを使わないとダメなようだ。出来ればショックドライバーで緩めた方が安心。

アルミのプラグを外したら、奥の小さなパワージェットをマイナスドライバーで外す。4mmほどの幅の細いドライバーでないと穴に入らない。左が#75、右が#70。

エアスクリューもマイナスドライバーで緩めて外す。中にスプリングが入っているので無くさないように注意。これもエンジン回転数0%〜30%域を受け持つ。完調なキャブレータなら、まずは一旦締め込んで、セッティングを調べておくといいかも知れない。

外したジェット類はまずキャブレータクリーナーで吹いて全ての穴の詰まりを取っておく。ガム質などを溶かすわけだが、きれいなようならエアブローだけでいいかも。今回はジェットタイプのパーツクリーナーを吹き込んでエアブローの代わりにした。またキャブレータ側の穴も同様に詰まりを取っておく。針金なんかを突っ込むと穴を広げてしまうのでダメだ。

今回は88用の対策ジェットニードルに交換する。別名ロングライフニードル。材質が変わって摩耗しにくくなっているとか。このニードルに換えるだけでキャブの不調が直ったりするようだ。ガスケットとニードルジェットも付属してくる。

新品のニードルジェットを差し込む。ジェットニードルを新品に変えるならこれもセットで新品に。取り付けの際は必ず切り欠きがある方をエンジン側に向けること。ニードルジェットホルダを締め付けたあと、向きがずれていないか確認しておく。

対策ジェットニードルを取り付ける。左がA(J3EA)、右がB(J3EB)なので刻印をよくチェック。ただしどうも同じモノらしい。スロットル全閉状態で落とし入れた方が安全だ。ヘタに扱うと簡単に曲がってしまう。そしてスロットルを全開状態にしてセットプレートで押さえつける。確実にセット出来たかよく確認。

対策ジェットニードル付属の新品ガスケットを入れてフタを取り付ける。

2つのキャブレータの同調は、とりあえず同時に全開状態になるようにしておいた。同調ネジを回して調整。チョークなどもスムーズに動くか確認。またフロートもちゃんとスムーズに動いているかも確認。

エアスクリューをセット。いったん締め込んで2回転と3/8戻しが88キャブレータの基準。

スロットルセンサもチェックしておく。まずカプラの黄/赤と青/緑間の抵抗を計る。4〜6kΩで正常。これが標準抵抗値。次に黄/青と青/緑間の抵抗を計る。スロットルストップスクリュを緩めてスロットルを完全に全閉した状態で0〜1.5kΩならOK。そしてスロットルを全開にしていくと滑らかに抵抗値が上昇して、全開位置で4〜6kΩになれば問題無し。

きれいにしたチューブを全部取り付けてオーバーホール完了。見違えるほどきれいになって気分もいい。

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