アーシングする
バイクや車はボディアースや細いアース線で電流をバッテリーに戻しているので、これを太いケーブルを使ってダイレクトにバッテリーのマイナスターミナルまで戻してやるのが「アーシング」。抵抗の増えた古い車体や、弱ったバッテリーの中古車なんかにはかなり効くようだ。また、電子部品やスパークプラグに悪い副作用が無いのがいい。
用意したのは8sq(スケア)のパワーケーブル。105℃の耐熱皮膜仕様。sqというのは導体の断面積の単位で、太ければ太いほどいいが、バイクなら8sq以上はオーバースペックだと思う。ケーブルは長い方から120cm、75cm、65cm、60cm。圧着端子はR8-8を4個、R22-6を2個。絶縁キャップはR8用を4個、R22用を2個。
皮膜をカッターで切って撚線を出しおく。必ず先に絶縁キャップをはめておく。キャップが入りにくい時はシリコングリスをちょっと付けるといい。圧着端子は穴がM8ボルトに合うようR8-8で。絶縁キャップも8sq用サイズ。
本来はゴツい圧着ペンチを使うが、今回はバイスプライヤーで代用。この角度でくわえさせると奥の方が手前より深く潰れて撚線が抜けなくなるのだ。
撚線の先が1mm程度カシメから出るぐらいでOK。バイスプライヤーはかなり強力なので圧着工具として十分使える感じ。
絶縁キャップはあまり耐熱性がないので、シリンダー付近に使うなら熱収縮チューブの方がいいかも。これはライターの炎などで熱を加えると50%径が収縮するタイプ。
バイクのバッテリーターミナル部分はスペースが狭いし、4つの端子を重ねると厚くなってしまうので2本を1つの端子にまとめる。こちらはR22-6の圧着端子を使用。22sq用なら8sqの撚線を2本くわえさせられる。穴はM6ボルト用。絶縁キャップは22sq用で。
一番長いケーブルでフロントシリンダーのスパークプラグ付近にアースポイントを取る。ラジエータのステーを留めているナットがいい感じ。これはシリンダヘッドボルトに付いているけれど、シリンダヘッドの締め付けには関係ないのだ。チャンバーからもシリンダからも浮いた状態に固定出来て熱対策もばっちり。
2番目に長いケーブルでリアシリンダーにアーシング。ここもラジエータホースのステーがシリンダヘッドにあるので、そのナットを利用する。やはりスパークプラグになるべく近いところをアースポイントにした方がいいらしい。
3番目のケーブルはエンジン上辺りのフレームにある既存のアースポイントに共締め。
残りの一番短いケーブルはリアのPGM-CDIのところにある既存のアースポイントにつないでおく。
そしてバッテリーのマイナスターミナルに4本のケーブルを接続。見ての通り、かなり狭いのでやはり端子の数を少なくしておいた方が取り付けがすごく楽だ。既存のボルトでは長さが足りないので、長さ10mm〜15mmのボルトに変えておく。径は5mmだ。
タイラップでケーブルをフレームに固定。しなくてもずれはしないが、振動で擦れたりしないのがいい。
完成したアーシング。これで寒い朝でもキック1発で始動。アイドリングも安定しているし、アクセルをあまり開けなくてもスピードが出るのがはっきり体感出来た。
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