ブレーキキャリパをオーバーホール

エンジン系

キャブレータをオーバーホールする

キャブレータを取り外す

エンジンを積む

腰上をオーバーホールする その2

腰上をオーバーホールする その1

Rクランクケースカバー交換その2

Rクランクケースカバー交換その1

エンジンをきれいにする

RCバルブをきれいにする

クランクセンターシールをチェック

シリンダ、ピストンを外す

エンジンを下ろす

ラジエータをきれいにする

エアクリーナエレメントを洗う

足回り系

フロントフォークをオーバーホール

ブレーキフルードを交換する

ブレーキキャリパをオーバーホール

ブレーキディスクを交換する

ホイルベアリングを交換する

Rサスペンション回りをきれいに

ステアリングステムをオーバーホール

フロントフォークを移植する

フロントブレーキパッドをチェック

外装系

グリップを交換する

キースイッチ等をきれいにする

カウルステー等をきれいにする

トップブリッジを鏡面仕上げにする

クラッチワイヤをきれいにする

ワイヤ類を外す

ステップをきれいにする

キックペダルのサビを落とす

ミラーを修復する

カウルをプラリペアで修理する

カウルをきれいにする

その他

パワーチェックをする

バイクを登録する

リミッターを解除する

バッテリーを交換する

ステアリングダンパーを付ける

アーシングする

エンジンを始動させる

チェーンを交換する

チャンバーをきれいにする

フロントのブレーキキャリパを外す。まずはハンガピンを抜いてブレーキバッドを取り外したあと、写真のブラケットボルトを緩めてブレーキキャリパをフロントフォークから外す。このブラケットボルトの締め付けトルクは2.4〜3.0kg-m。

次にブレーキピストンの間にブレーキパッドを1枚かませておいて、ブレーキレバーを握ってピストンを一杯まで飛び出させておく。こうすることで、あとでピストンが抜きやすくなる。ここまで飛び出させてもピストンがシリンダから抜けてしまうことはない。

いったんブレーキキャリパをフロントフォークに戻し、キャリパボルトを少し緩める。ネジロック剤が塗ってあって固いため、フリーの状態では力が入らないからだ。特殊なトルックスボルトが使ってあるので、E12のトルックスビットで緩める。この時、緩め過ぎるとブレーキフルードが漏れてくるので、ほんの少し緩めるだけにする。ブレーキフルードは塗装面を侵すので、ホイール等にかかったら水かパーツクリーナーで洗い流しておく。

ホースエンドを14mmのスパナで固定しておいて、ジョイントナットを同じく14mmのスパナで回してブレーキホースを外す。すぐにフルードが流れ出てくるので、すかさずホースに栓を。竹串にゴム手袋の指部分を被せて差し込めばフルードは流れ出てこない。念のため、ホースの口を上向きにしてバイクに吊っておく。

キャリパボルトはもう緩めてあるので、簡単にキャリパを割ることが出来た。ブレーキフルードが流れ出てくるので、下に受け皿を用意してから割る。同じようにして反対側のキャリパも取り外し、割っておく。ホースにしっかり栓がしてあれば、もう片方のキャリパのピストンも問題なくブレーキレバーの圧力で押し出せるのだ。

リアキャリパも同時にオーバーホール。キャリパボルトを抜いて、キャリパを上方に回転させて取り外す。ブレーキパッドもハンガピンを抜いて取り外す。

リアキャリパからホースボルトを抜いてブレーキホースを取り外す。ゴム手袋の指部分をホースボルトに被せて、それをバンジョー部分に突っ込んでおくとしっかりフルードが止まる。ブレーキディスクなどにフルードをかけないようにウエスなどで覆っておくといいかも。もし、かかってしまったらパーツクリーナーなどできれいにしておく。

さっそくキャリパの洗浄。あまりにも汚れている時は、ピストンを抜く前に洗っておく方がいいようだ。台所の中性洗剤でかなりきれいになる。歯ブラシを使ってゴシゴシと。

ピストンは圧搾空気を軽く吹き込んで飛び出させるのが王道のようだが、コンプレッサーがないのでバイスプライヤーで引き抜く。そのまま挟むとピストンに傷がつくので、ゴム片などをかましておく。写真のようにタイラップを使ったら滑らなくていい感じ。万が一傷付けても問題無いように、シールに当らないピストンのフチ部分を挟むようにした。また、ピストンはかなり厚くて丈夫だが、バイスプライヤーで変形させないように出来るだけ軽く挟むように心掛ける。

ピストンを外したら、ダストシールとピストンシールを取り外す。針で引っ掛けるようにすれば簡単に取り外せた。あとはキャリパシリンダ内部をきれいに洗浄。特にダストシールの溝が汚れているので念入りに。

きれいに洗浄出来た各パーツ。ピボットカラーやハンガピンが錆びていたら、ラストリムーバーなどで錆を取っておく。パッドスプリングやブリーダバルブもきれいにしておく。

ピストンに錆などが出ていたら、2000番くらいの極細のサンドペーパーにCRC5-56を付けて円周方向に軽く磨いておく。ただ、ピストン径を変えたくないので、なるべくピストンシールが当る辺りは削らないように気をつける。ダストシールが当る部分はともかく、ピストンシールが当る部分に傷がないか、よくチェック。シールを横切るような長い傷でない限りフルードは漏れないはずだが、ピストンシールを傷付けるような虫食い穴などが付いているなら、ピストンを交換した方がいいと思う。

どのシリンダに入っていたピストンか分るように内側にマークを付けておいた。これは一応、同じシリンダに戻すため。下にあるのは取り外した古いシール類。

フルードの通り道をパーツクリーナーで洗浄。本来は水分をエアガンで吹き飛ばしておくのだが、今回はそれもパーツクリーナーで代用する。水分が残っていないようにしっかりと。パーツクリーナーでキャリパが冷やされたことで露結するので、そういった水分もしっかり乾燥させてから次の工程へ。

新品のシールをはめ込む。まずは奥のピストンシールをはめる。ブレーキレバーを離した時、このピストンシールの弾力でピストンが戻るのだ。これが劣化しているとブレーキパッドを引きずることになる。ピストンシールをはめたら、ダストシールをはめる。最後にシールの内側にフルードを薄く塗っておいて、ピストンを挿入。ピストンの開口部側がパッドに当る面なので間違えないように注意。

新品オイルシールも忘れずに入れて、キャリパを合体。オイルシールは1キャリパーに2個。

キャリパボルトにネジロック剤を塗って取り付ける。

キャリパボルトはやはり一旦フロントフォークに取り付けておいて締め付け。数回に分けてE12のトルックスビットで締め付ける。トルクは3.0〜3.5kg-m。

当りが出るように新品のブレーキパッドの角を2mmほどやすりで落としておく。写真はリアパッド。これはひどい偏摩耗のブレーキディスクに当てられていたせいで、ほとんど新品なのに表面がデコボコになってしまっていた。しょうがないのでやすりで削って平らにしておいた。

ブレーキパッドの裏面には鳴き止めにうすくグリスを塗っておいた。パッド面には油脂を絶対に付けないように注意。

ハンガピンには耐圧のモリブデングリスを塗って、ブレーキパッドをキャリパに取り付け。バッドスプリングも同時に取り付ける。これは無くても大丈夫のようだが、無いとブレーキパッドがカチャカチャ踊ってしまう。

リアキャリパも同じようにして組み付けて、これで前後のブレーキキャリパのオーバーホール完了。

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