ブレーキフルードを交換する
リザーバのプラスネジを緩めてフタを外す。ブレーキフルードは塗装を侵すので、ウエスでしっかりガードしておく。念のためガソリンタンクもタオルでガード。
今回はブレーキキャリパをオーバーホールしたので、まずキャリパをホースに取り付ける。ホースをねじらないように注意。自然に垂らした時、外側を向くのはどの部分か印を付けておくといいようだ。フルードをこぼさないように、ホースエンドをすばやくジョイントナットに突っ込み、手で仮締め。
キャリパをフォークに取り付けて(トルク2.4〜3.0kg-m)、ジョイントナットを14mmのスパナでしっかりと締め付け。締め付けトルクは1.2〜1.5kg-m。
リザーバに残っている古いフルードをスポイトなどで吸い取ってきれいにしたあと、新しいフルードを気泡が出来ないように静かに一杯まで注ぐ。グレードはDOT4で十分だと思う。DOT5だと沸点がさらに高いが、吸湿性も強く劣化が速いのでメンテが大変だという話。リアはDOT3でも十分OK。
キャリパ側から古いフルードを一気に吸い出してしまう。ブリーダバルブを10mmのメガネレンチで1/3回転ぐらい開いて注射器で吸い出し。注射器はバイク用品店やホームセンターで売っているのだ。リザーバのフルードが無くならないように注意。無くなればエアを吸い込んでしまって元も子もない。
ブレーキレバーを何回か握ってキャリパにフルードを送り込んでピストンを押し出す。そしてエア抜き。ブリーダバルブにチューブを付けて、先はボトルの中へ。ブレーキレバーを数回握って圧力をかけ、ブレーキレバーは緩めずにブリーダバルブを1/3ほど緩める。するとフルードと一緒にエアがチューブの中に出てくるのだ。ブリーダバルブを締める前にブレーキレバーを緩めると逆流してしまう。
チューブの途中にこんなチェックバルブを付けておくと安心だ。ホームセンターで売っている観賞魚用の水槽に使うエアバルブ。耐久性はないが298円と安いので使い捨て感覚で使える。チェックバルブを付けておけば、いちいちブリーダバルブを閉じなくてもいいはずだが、やはり少し戻ったりするので、補助的に使う感じ。ブレーキフルードの色が薄くなったら、新しいフルードが古いフルードと入れ替わったということ。
チューブから出てくるフルードに気泡が混じらなくなったらエア抜き完了。もちろん、左右のキャリパとも行う。そしてリザーバにダイヤフラムと内フタを入れて、フタを閉じれば完了。
ちゃんとオーバーホールしてあるなら、ホイールがくるくる回るはず。フロントホイールを浮かしてチェックをしてみる。ブレーキレバーもカチッとしたフィーリングになっているはず。
リアキャリパもオーバーホールしたので、まずは取り付け。ブレーキホースのバンジョー部を新品のシールワッシャー2枚で挟んで、ホースボルトを締め付け。トルクは2.5〜3.5kg-m。こちらもホースにねじれがないように気をつける。ちなみにキャリパボルトの締め付けトルクは2.0〜2.5kg-m。
ブレーキパッドもセットして、ブレーキペダルを踏み込み新しいフルードを挿入。そしてエア抜きだ。リアのブリーダバルブは8mmのメガネレンチで緩める。ここでもチェックバルブが大活躍。ブリーダバルブの締め付けトルクは0.4〜0.7kg-m。
エア抜きが終わったら、リザーバのアッパレベルまでフルードを満たして、フタをして完了。フタのビスは0.2〜0.3kg-mのトルクで軽く締め付ければOK。さすが新しいフルードは色が薄い。劣化すると赤茶色になる。
こちらはフロントのリザーバ。きれいな色だ。リザーバの色で、そのバイクのメンテナンス具合がだいたい分る。
ブレーキレバーをタイラップで引っぱり、圧力をかけたままで一晩置く。フルード内の細かな気泡などをこれで抜くのだ。翌日、もう一度エア抜きをやるのも効果的かも知れない。
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