エンジンを下ろす
Rクランクケースカバーにつながるラジエータホースを外しておく。バンドを緩めてホースを抜くと大量のクーラントが流れ出てくるので、下に受け皿を用意しておく。
クランクケース右側下部のクラッチケーブルアジャスタのボルトをスパナで緩めて、ケーブルを外しておく。ケーブルが外れて緩まれば、クランクケース左側にあるワイヤー先端のドラムがシフトレバーから抜ける。
ついでにクラッチケーブルのクランプも12mmのボックスレンチでボルトを外して取り外しておく。キックペダルも取っておく。
チェーンを緩めるか外すかして、ドライブスプロケットも取り外しておく。ロックプレートのツメをもどして、ロックボルトを10mmのレンチで回して取る。
エンジンにつながるその他のラジエータホースも外す。ゴムが硬化しているとなかなか外れないので、まずはドライヤーで暖める。特に冬季の屋外での作業では有効だ。
オイルタンクからのチューブを外したらすぐに6mmほどの直径の栓をすればオイルはきれいに止まる。この+ドライバがちょうど良かった。こうすればオイルが入ったままオイルタンクとオイルリザーバタンクをフレームから下ろすことも出来るのだ。インシュレータに続く2つのオイルパス用のホースも抜いてしまう。こちらはオイルは流れ出てこない。
RCバルブのプーリーもシリンダーから外しておく。真ん中のシャフト用のボルトは「逆ネジ」になっているので、右回しで外さないとネジ切ってしまうので注意。10mmのソケットレンチで外す。締め付け時のトルクは0.8〜1.0kg-m。左右のボルトも同じく10mmのレンチで外す。こちらは通常のネジだ。
四輪車載の簡単なパンタグラフジャッキで十分エンジンは支えられる。ただし、ジャッキが倒れないように木材にビスで固定しておいた。前後にメンテナンススタンドを使うとかなりエンジン下のクリアランスが大きくなるので、ジャッキの下にさらにブロックを敷く。
フロントのエンジンハンガナットを14mmのレンチで外す。左右に貫通したシャフトなので、右側のボルトを14mmのレンチで押さえて共回りを防ぐ。シャフトはもうこの時点で抜いておく。ちなみに締め付けトルクは3.5〜4.5kg-m。
スプロケット後ろのハンガリンクボルトは17mmのレンチで外す。締め付けトルクは5.0〜6.0kg-m。その下のサイドスタンド共締めのボルトは貫通シャフトなので、反対側のナットを回す。締め付けトルクは3.5〜4.0kg-m。
このエンジン上部のハンガボルトは上の写真のように8番の六角レンチで外す。こんな感じでヘキサゴンレンチを使うと緩めやすいし、締め付けの時にトルクレンチが使えるので便利。締め付けトルクは3.5〜4.0kg-m。
サイドスタンドからのシャフトが車体右側まで伸びている。まずは14mmのレンチでナットを外し、シャフトを引き抜いておく(締め付けトルク3.5〜4.0kg-m)。そして写真のように一回り大きいロックナットを27mmのレンチで外す(締め付けトルク6.0〜7.0kg-m)。
中にアジャスタがあるので、これを12mmの六角レンチで回していくとエンジンの固定が全て外れる(締め付けトルク1.0〜2.0kg-m)。極太の12mm六角レンチは普通は持っていないので、ホームセンターなどで購入しておく。
エンジンハンガのシャフトやボルトは全部抜いてしまってもOK。写真上のフロントエンジンハンガのシャフトにはカラーが入っていて、これを取るとエンジンがかなり左右にずらせるので楽。
エンジンは30kgあるので、ジャッキで全ての重量を支えさせてそのまま垂直に下におろしたい。そのためにはオイルポンプを外さないとダメなようだ。2つのボルトを抜けばセットですぽっと抜ける。
ジャッキを緩めていけばエンジンはそのまままっすぐ下に下りる。オイルポンプの他にウォーターポンプ上のホースもじゃまなので取っておこう。ジャッキに全重量を支えさせれば一人でも楽に下ろせるのだ。
エンジンはオイルや泥がこびりついている状態。これをきれいにしてから、次のステップへ。
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