カウルをプラリペアで修理する
カウルの割れに沿って、まずはV字型の溝を彫る。これは「のりしろ」の面積を大きくするためだ。溝はカッターでもいいけれど、彫刻刀の三角刀を使うと簡単で楽。割れのラインを中心にして自然に左右にきれいな角度でのりしろが削れる。ただし、「教師用」などとうたわれた切れ味の良い三角刀を買うべし。
あまりにも弱い部分は三角刀だとうまくいかない。そんな時はカッターで丁寧にけずるか、リューターを使う。乾電池式の900円くらいのリューターでも、相手がABS樹脂なので簡単に細工出来るのだ。
溝が掘れたら、そこにプラリペアを流し込む。プラスチックの粉のカップの中に注射器から溶剤をたらし、丸く溶け集まった部分を注射器の先でピックアップ。そのまま溝へ持っていって、溶剤を押し出して加えれば、溝の中にきれいに溶けたプラスチックが流れるのだ。
カウルの材質も溶かし、一体となることで強度が出る。しっかり溝を作っておけば、たぶん元よりも強くなる感じだ。カウル修理ならこのプラリペアでの修理が一番強度が出ると思う。5分で硬化。すぐに削ったり、塗装をしたりも出来る。
タンクに差し込まれるこの部分はバラバラな状態。針金で固定してあったけど、強度は全然なし。すべてプラリペアで接着することにする。
タンクに差し込まれる部分を接着。ここは黒色のプラリペアを使った。メーカーによると、白よりも黒のプラリペアの方が強度が出るとのこと。見えない部分や、塗装で隠れる部分は黒色がいいかも。
同梱の「型取り君」を熱湯で4分ぐらい湯煎して粘土のような状態にし、欠損のない同じパーツから型を取る。今回は、大きく欠損したロスカラーのカウル上部を修復するために、まともなテラカラーのカウルに型取り君をペタ。
型取り君を半分に切ってテラカラーのカウルから外し、ロスカラーのカウルにセット。ここにプラリペアの粉を詰め、そして上から溶剤を注射器でたらす。すると粉が溶けて型に広がり、あっというまに欠損部分が再生。スピードナットの穴もちゃんと再現されている。はみ出した部分などは、硬化したあとカッターやヤスリできれいに整形しておけばいい。
型取り君をはずすとこんな感じに。カウルのこの部分が欠けた車両をよく見かけるけど、この方法ならきれいに再生出来る。強度もばっちりなので、コケてカウルに力がかかっても大丈夫。たぶん、他の部分が割れると思う。
もちろん、最初に接続面を斜めに削っておいて、のりしろをたっぷり作ってやることが重要。今回は白色の粉を使っているので、このままでも目立たなくていい。あとでロスホワイトで塗装すれば、見た目もグッド。
ホームセンターでは「造形補修剤」という名前で売られていたりする。「型取り君」入りのキットだからだろう。2300円くらい。高いけど、これはもうカウル修理の必需品。削りやすいし、盛りやすいのでパテとしても重宝するのだ。
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