フロントフォークを移植する
まずはアルミ脚立を用意する。高さ210cmの物がちょうどいい。これでNSR250Rのフロント部分を吊るのだ。
フレーム前部のこの支柱にタイダウンベルトを巻く。なるべく中央になるようにするとバランスが良かった。緑のアース線を一緒に巻き込まないように注意。
頭上はこんな感じ。この脚立は100kgが耐久限度重量だが、リアタイヤは軽く接地しているし、大丈夫だろう。ちなみにNSR250Rの乾燥重量は127kg。脚立に写真のようなラチェット式のタイダウンベルトを装着。こちらは200kgまで耐えられるし、NSR250Rぐらいの重さなら片手で簡単に巻き上げられる。
フロントホイルが外れて、完全に前部が浮いた状態。雨が降ってきたら、三脚ごとバイクカバーを掛ければOK。
バイクを引上げる前に全てのボルトを緩めておく。タイヤが接地してないと力が入らないからだ。フロントアクスルシャフトはまず右のボルトを22mmのメガネレンチで外し、中のアクスルシャフトを左に押し出すと取れる。
ブレーキキャリパも外してフレームにビニールひもで吊っておく。キャリパーが重いので、ブレーキホースの取り付け部が裂ける可能性があるのだ。それとキャリパをホイールのリムに当てると一発でホイールが傷つくので注意。フロントフェンダーはサイドのボルト4本を8mmのレンチで外す。ただし、ホイールを外さないとフェンダーは取り外せない。
ボトムブリッジボルトは14mmのボックスレンチで外す。全部ボルトを緩めてフォークが滑り落ちてもフォーク上部の溝にストッパリングが付いているので、ボトムブリッジに引っかかって止まる。ちなみにボトムブリッジボルトの締め付けトルクは4.5〜5.5kg-m。
トップブリッジボルトは6番の六角レンチで緩める。最初はかなりきつくて苦労した。メガネレンチをかまして「延長させる」か、中心をバイスドライバーではさんで両手で回すと良い感じ。締め付けトルクは0.9〜1.3kg-m。手の感覚だけで、ぐっと締めればOK。
ハンドルは5番の六角レンチで。88年式はハンドルの上にスペーサーが入っている。右のこの辺りにあるケーブルのクランプのネジを緩める。全てのネジ、ボルトは緩めるだけで外さない。その方が新しいフォークを取付ける時にだんぜん楽。ブレーキライン、配線の取り回しをよく覚えておいて、フォークを下に引き抜く。
ストックしてあった5,000km走行の極上のフォークを移植する。インナーパイプにサビがまったくない。フォークオイルは純正のウルトラCOクッションオイル10号(SAE10W)を入れておいた。
ハンドルを左右に振ってみてもクリック感はなく、スムーズに動く。どうやらステアリングステムのベアリングは大丈夫のようだ。フロントフォーク下部を持って前後に揺すってみてもガタはなかった。
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