ホイルベアリングを交換する

エンジン系

キャブレータをオーバーホールする

キャブレータを取り外す

エンジンを積む

腰上をオーバーホールする その2

腰上をオーバーホールする その1

Rクランクケースカバー交換その2

Rクランクケースカバー交換その1

エンジンをきれいにする

RCバルブをきれいにする

クランクセンターシールをチェック

シリンダ、ピストンを外す

エンジンを下ろす

ラジエータをきれいにする

エアクリーナエレメントを洗う

足回り系

フロントフォークをオーバーホール

ブレーキフルードを交換する

ブレーキキャリパをオーバーホール

ブレーキディスクを交換する

ホイルベアリングを交換する

Rサスペンション回りをきれいに

ステアリングステムをオーバーホール

フロントフォークを移植する

フロントブレーキパッドをチェック

外装系

グリップを交換する

キースイッチ等をきれいにする

カウルステー等をきれいにする

トップブリッジを鏡面仕上げにする

クラッチワイヤをきれいにする

ワイヤ類を外す

ステップをきれいにする

キックペダルのサビを落とす

ミラーを修復する

カウルをプラリペアで修理する

カウルをきれいにする

その他

パワーチェックをする

バイクを登録する

リミッターを解除する

バッテリーを交換する

ステアリングダンパーを付ける

アーシングする

エンジンを始動させる

チェーンを交換する

チャンバーをきれいにする

▼フロントホイルベアリング交換
まず左右のダストシールをドライバーなどで外す。ブレーキディスクを外しておくと作業がやりやすいが、付けたままでもOK。その場合は絶対に下になったブレーキディスクを傷つけないように注意。ブレーキディスクを歪めてしまったら最悪だ。

左右のベアリングの間にディスタンスカラーがあるので、それをステンレスパイプのような棒を差し込んでずらすと、わずかに反対側のベアリングの「尻」が見える。ディスタンスカラーを傷つけないような素材の棒で思いっきり力を込めるのがコツ。

そのベアリングの尻を反対側から打って叩き出す。かなりきついので、貫通ドライバー程度ではうまくいかない場合が多い。写真の長いスチールボルトのようなゴツい物の方がいいようだ。これも思いっきりディスタンスカラーをずらすように力をかけながら、しっかりとベアリングにヒットさせるように。片方のベアリングが打ち出せればディスタンスカラーが取り出せるので、もう片方の打ち出しは楽勝。

新品のベアリングの外周にグリスを塗って打ち込む。左右どちらのベアリングが先でもOKだけど、一応指定通り右側から。打ち込む時は必ずベアリングの外縁を打たなければダメだ。内縁を打ったらベアリングのガタを生んでしまう。ステアリングステムのインナレースがぴったり外縁に合うので、これを重ねておいて、斜めに入らないように少しずつ打ち込む。底に当れば音が変わるのでよく分る。

右ベアリングを完全に底まで打ち込んだら、ディスタンスカラーを差し込んで、今度は左ベアリングを打ち込む。この時、ディスタンスカラーに当る直前でいったん打ち込みをやめ、ディスタンスカラーとの距離を測る。HRCによると、ベアリングのインナーが当って少しディスタンスカラーの動きが硬くなる位置が正解とか。カタカタとディスタンスカラーが動くのはNG。隙間を確認したら打ち込み再開。打ち込み過ぎないように微妙な位置で止める。

新品ダストシールのリップ部にグリスを塗って、これもインナレースを当てがって打ち込む。ホイルとだいたい面一になればOK。これでフロントホイルのベアリング交換は完了。今回、特にベアリングにガタ、サビはなかった感じだが、これを新品にしておけば不安要素がひとつ減るのだ。

▼リアホイルベアリング交換
最初にドリブンスプロケットとリアブレーキディスクを外しておく。リアホイールには3つのベアリングがあるので、それを全部新品に換えるのだ。まずは写真のホイル右のベアリングから。カラーをドライバーでこじって外し、その下のダストシールも取る。

そしてフロントホイルと同じようにディスタンスカラーを少しずらして、ホイル左のこのベアリングを裏から打ち抜く。かなり固いので丈夫なロングスチールボルトなどを使う。ベアリングはカラーの付いた状態で抜ける。。

このカラーをヘタに抜こうとすると傷ついて再使用出来なくなる。肉厚が薄いので打ち抜こうとしてもダメだ。写真のようにバイスプライヤーでくわえさせておいて、ベアリングの方を金鎚で打って外す。カラーは柔らかいアルミ片でカバーしておけばバイスプライヤーでくわえても傷つかないのだ。

そして3番目のベアリング。これは外したドリブンスプロケットに付いている。21mmのプラグレンチソケットなどを突っ込んで裏からゴン。カラーがついたままのベアリングが簡単に抜ける。

このベアリングのカラーも再使用したいので、丁寧にベアリングから外す。傷つかないようにバイスプライヤーで挟んでベアリングの方を打って抜き出す。

ベアリングの打ち込み。ドリブンスプロケットのベアリングは底に当るまで完全に打ち込んでいいようだ。ここでもステアリングステムのインナレースが大活躍、レースは堅い鋼材なので打ち込みには最適だ。

新品のダストシールのリップにグリスを塗って打ち込んだあと、カラーを取付ける。

カラーも圧入するが、ベアリング内縁に圧力をかけないように裏に「当て物」をしなければいけない。27mmのソケットなどがぴったりだった。カラーも完全に底に当るまで打ち込む。

ドリブンスプロケットのシールを新品に変えておいた。グリスを塗って取付ける。

ホイルのベアリングは最初に必ず左側から打ち込む。左ベアリングは外周が広いのでステアリングステムのアウタレースなどがサイズ的にちょうどいい「当て物」のサイズだった。左ベアリングは完全に底に当るまで打ち込む。底に当れば「堅い音」がホイル全体から響いてくる。ホイル面からベアリング面まで17.20mm〜17.44mmにするように指定されているので確認してみる。ちゃんと底に当っていれば数値内に収まっているハズ。

次にカラーも打ち込むが、やはり下からベアリング内縁を支えておく。写真のように21mmのプラグレンチソケットにエクステンションバーをつけ、ここにホイルを被せて下支えにしてみた。

最後に右ベアリングの取付け。ディスタンスカラーを差し込んで、ベアリングにグリスを塗ってセット。ベアリング打ち込み時は下に厚い板を敷いておくとホイルが傷付かなくていい。

インナレースを被せてベアリングの外縁を叩く。斜めに打ち込まないように慎重に打ち込んでいく。このベアリングは底まで打ち込まないこと。フロントホイルと同じくディスタンスカラーが軽くベアリングのインナーに触るところまでで止める。

指定では、カラーを取付けてそのカラー面とホイル面間が4.05mm〜5.15mmであればOK。逆算するとカラーなしでホイルから5mm程度下まで打ち込めばいいことになる。ただ、この数値より、ディスタンスカラーとの隙間が一番肝心だと思う。左右のベアリングのインナーが軽くディスタンスカラーに触れている状態がならいいハズ。

これで前後のホイルのベアリング交換完了。写真は交換した古いベアリングとダストシール。今回、リアのベアリングもOKのようだったが、交換しておけば安心。壊れたままで走っているとパワーロスを起こすし、ホイルが発熱したりもするようだ。

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