エンジンを始動させる
オーバーホールしたキャブレータを取り付ける。インシュレーターのゴムをドライヤーで暖めておいてやればスポッと入る。インシュレーターバンドをしっかり締めて、2次エアを吸わせないように。
エアクリーナーケースをキャブレータに取り付ける。ここもエアを吸わないようにしっかりと。念のため、コネクティングチューブの根元に液体パッキンを上から塗って、エア漏れを防ぐようにしておいた。このあとエアクリーナーエレメントやカバーも取り付ける。
キャブレータに続く2本のオイルパスチューブを忘れずに取り付けておく。これを忘れてエンジンを焼き付かせたオーナーがけっこういるらしい。
ワイヤリングは隣りにストリップにした88テラを並べて、参考にしながら進めた。これならまったく同じように組み付けられるし、作業も早い。
キャブレータにチョークケーブルやオイルポンプケーブル、スロットルの引き側、戻し側のケーブルを取り付ける。スロットルはスロットルグリップの開け始めの遊びが2〜6mmになるように調整。ハンドルを左右に切った時にもおかしな引きをしないかチェック。
88NSRのオイルポンプの調整は、スロットルグリップがスロットルワイヤを引き始めると同時にオイルポンプのコントロールレバーも動き出すようにアジャスタで調整。スロットル全開位置で、コントロールレバーの合わせマークとオイルポンプボディの合わせマークが一致しているかもチェック。
ミッションオイルを入れておく。純正のウルトラG1を0.8リットル。100円ショップで買った目盛りの付いたジョッキと漏斗で。オーバーホールしていない普段のオイル交換なら0.7リットルでOKだ。
オイルキャップにレベルゲージが付いているが、だいたい車体を真っすぐ起こした時に注入口ぎりぎりまでくる感じ。本当はエンジンをかけてオイルを回したあとにレベルチェックをする。
ラジエータに冷却水を入れる。純正の原液を標準濃度の30%に薄めて使用。1,310ccということだが、実際はもう少し入るので少し多めに作っておいた。ラジエータの注入口いっぱいまで注ぎ、何回かキックしてエアを抜いてまた補充。リザーバタンクにも250ccほど入れて、ここのレベルゲージで上限と下限の間に冷却水のレベルがあればOK。
バッテリーを取り付ける。ショートしないようプラスのターミナルから取り付け。逆に取り外す時はマイナスターミナルから外す。開放電圧は20℃で13.0V〜13.2V。12.3V以下なら充電不足。ちなみに制御電圧は5,000rpm時で13.5〜15.5Vなら正常。
オイルポンプのエア抜きをしておく。ウエスかキッチンペーパーを敷いて、ブリーダボルトを7mmのレンチで緩めてオイルと一緒にエアを抜く。気泡が出なくなればOKだが、今回はオイルを入れたまま外したのでまったくエアは噛んでいなかったようだ。
オイルポンプに続くオイルパスチューブ内のエアがまだ抜いていないので、混合ガソリンを作ってエンジンを始動させる。混合比は1:50程度でOK。200ccほど作ってガソリンチューブから直接キャブレータの中へ。チューブいっぱいに入れておけば少しの間はガソリンが足りる。火気厳禁。
キック20回程度で無事始動。最初はさすがに白煙が多い。排圧もしっかりしているし、なかなかいい感じ。
オイルポンプのコントロールレバーを指で全開位置にして、オイルパスチューブに大量に2ストオイルを送り込んでやる。30秒ほどアイドリングさせれば十分チューブ内にオイルが送り込まれてエアも抜けるのだ。これが済めばもう混合ガソリンで無くてOK。
裏技としては、オイルパスチューブに直接2ストオイルを注入しておいてやる方法がある。ジェットオイラーできゅっと送りこめばすぐにチューブ内に2ストオイルが一杯になる。これなら混合ガソリンを作らないで済むので超お手軽だ。
ただ加減が難しく、入れ過ぎるとインシュレーターの中が2ストオイルで一杯になってしまう。2ストオイルはリードバルブの上に溜まっているので、それをスポイトなどで吸い取っておく。
最後にRCバルブワイヤの調整。エンジン回転数を2,000rpmにして、サーボモーターのブーリーがHIマーク付近になったことを確認してメインスイッチでエンジンOFF。プーリーに3mmのビス(長さは25mmほどあればいい)をねじ込んで固定したあと、RCバルブのプーリーのアジャスタでワイヤの張りを調整する。
RCバルブのプーリーの突起とベースの合わせマークを一致させて押さえておき、まず引き側のワイヤをアジャスタを手で回して張る。次に押し側のワイヤもアジャスタを回して張って、それぞれロックナットで固定。プーリーのガタが0.5〜3mmならOKだ。3mmのビスを外してイグニッションをONすると、最初にサーボモーターのプーリーがLOに動く。エンジンをかけて2,000rpmでHIに、3,000rpmでまたLOに動くことを確認しておく。
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