Rクランクケースカバー交換その2
プライマリードライブギアとクラッチアウターギアの間にアルミ片を噛まして回り止めにする。アルミなら柔らかいのでギアに傷が付かないのだ。ちなみに1円硬貨などが具合がいいが、貨幣をつぶすのは貨幣損傷等取締法で罪になる。
ギアを固定しておけば、クラッチスプリングを外すことが出来る。5本のボルトを10mmのソケットレンチで外す。これは対角のボルトを順番に少しずつ緩めないとプレートが傾いて引っかかるので注意。
クラッチプレートが7枚、フリクションディスクが6枚。すべて外すとクラッチセンターとアウターだけが残る。
クラッチプレートとフリクションディスクはオイルで貼り付いているので、クラッチプレッシャープレートごとまとまって抜ける。左はクラッチスプリング。
クラッチスプリングの自由長を計っておく。新品は38.9mm。38mm以下なら交換だが、これは38.5mmでまだいける。クラッチプレート厚は新品が2.92〜3.08mm。使用限度は2.5mm以上。ノギスで計ると3mmあったので、交換せずにそのまま使用。
フリクションディスクもゆがみがなかったが、1番外側のディスクだけ焼きが入ったようにやや変色していた。対応するクラッチプレートも黒い。まぁ、他のはきれいだったので、見なかったことにしよう。クラッチプレートとフリクションディスクはエンジンオイルを塗ってまた組み付ける。
中央のクラッチリフタガイドを抜くと、中にスチールボールが入っているので、これにグリスを塗っておく。この時、クラッチリフタアームを動かして、ちゃんとクラッチリフタロッドが下から押し上がってくるかチェックしておく。ロッドが動かないと当然クラッチが切れなくなるのだ。ちなみにスプリングを取付けた状態だと、かなりの力でないとロッドが動かないがそれで正常。
ウォータージョイントを外して、ガスケットかすをきれいにしておく。このウォーターポンプガスケットは欠品間近のうわさも・・・。中にはウォーターポンプインペラが入っているのでこれを外す。
ただ、ロックしておかないと外せないので、ギアを固定したクランクケースにまた被せて、ソケットレンチで緩める。ちなみに締め付けトルクは1.0〜1.4kg-m。
インペラを外して、外側から貫通ドライバーなどでこのベアリングをたたき出す。見た目で大丈夫そうなら、そのままでもいいと思う。
ベアリングを外したら、内側からメカニカルシールをたたき出す。これがイカれているとラジエータクーラントがミッションオイルの中に流れ込んだりする。
メカニカルシールを外すとこんな感じ。中央近くに穴が開いているのが分る。この穴からクーラントがクランクケース外に流れ出てくると、メカニカルシールがイカれた証拠、要交換だ。
クランクケースに新品のガスケットをつける。ノックピンも忘れないようにする。
Rクランクケースカバーのウォーターポンプシャフトなどにミッションオイルを差しておく。奥のベアリングやキックペダルの通るシールなどにも。クラッチプレートを洗浄したら、そこにもミッションオイルを塗っておく。
ウォーターポンプシャフトにワッシャーがついているので、それを忘れないようにセット。12本のボルトは対角で少しずつ締め付けていく。トルクは1.0〜1.4kg-m。
ウォータージョイントも取付ける。ここも1.0〜1.4kg-mのトルクで締め付ける。3本のボルトを10mmのレンチで。ガスケットも新品に。
ドレンワッシャーは新品を取付けて、ドレンボルトを締め付け。トルクは1.5〜2.5kg-m。87では3.0〜4.0kg-mだったが、88から1.5〜2.5kg-mに変わっている。たぶん、ドレンワッシャーの材質が変わったせいだと思うが、これは注意。またネジ切ってしまわないように。
Rクランクケースカバーの取付け完了。
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