シリンダ、ピストンを外す
まずインシュレータは取り外しておく。8mmのソケットレンチで8本のボルトを外す。中央の4本と外側の4本は長さが違う。ネジ切らないように慎重に。
インシュレータを外すと、分厚いスチール製のリードバルブベースが見える。これはプラスチックハンマーなどでコツンと衝撃を与えれば外れる。
こんな感じでリードバルブが外れる。
樹脂製のリードに欠けがないか、隙間無くちゃんと閉じているかチェック。隙間が開いているとクランクケースから混合気がキャブ方向に吹き返してしまう。これは大丈夫だった。本来はアッセンブリ注文だが、MC28用ならリードだけで注文出来る。14111-KV3-832を4枚。
そして、シリンダヘッドを止めているナット6個を10mmのボックスレンチで外す。メガネレンチの方が使いやすい場合もあるが、ボックスレンチの方がナットの頭に深く掛けられてナメにくいような感じだ。
シリンダヘッドを取り外す。突き出ているのはスタッドボルト。ピストンはカーボンで黒くなっていた。これはピストンが一番上に上がった上死点の位置。シリンダヘッドの燃焼室もカーボンで黒い。
次にシリンダをクランクケースから取り外す。今度は12mmのボックスレンチで4個のナットを回す。メガネレンチでもOK。エンジンを下ろした状態だとエンジンごと回ってしまいがちなので、ちょっとエンジンに乗るなどして、しっかり固定してナットを回す。
RCバルブの下のナットだけはボックスレンチが使えないので、12mmのメガネレンチを使って外す。これがけっこうやっかいだ。ネジ切らないように慎重に。
4本のナットが外れたら、プラスチックハンマーなどでコンコンと叩きながら、シリンダをスタッドボルトから抜いていく。最初は金槌や木槌などでやった方がいい場合もある。くれぐれも叩き過ぎないように、慎重に。
シリンダ内部はまあまあきれい。抱きつきなどの様子はなかった。クロスハッチ(オイル溜めの模様)も一部残っているようだ。クロスハッチが消えてピカピカしているとそこから焼き付きが始まるとか。
シリンダを外せばピストンはむき出し状態。ピストンピンの穴の切り欠け方向が吸気側。ピストンリングの切り欠け方向も吸気側。新品ならピストンヘッドに「IN」のマークがあるが、USEDでは消えてしまっているので、これを目安に。ちなみに左右どちらのピストンかあとで分るように、ピストンの裏にマークを付けておいた。
ピストンピンの左右にクリップがはまっているので、これをラジオペンチで外す。クリップのエッジでピストンを傷つけないように気をつける。それとクリップが跳ねて2、3m飛ぶ時があるので、無くさないように要注意。
左右のクリップを外せば、どちら側にでもピストンピンが抜けるのだが、これが意外に固い。ソケットレンチなどで力をかけて押し出す。ただし、クランクに横方向の力がかからないようにピストンをしっかり手で押さえて固定しておく。
ピストンも気になるようなダメージは見られなかった。シリンダはCシリンダということで、ピストンはDと判断。新品の89Dピストンをストックしてあるが、もったいないのでピストンリングの交換のみにする予定。
スモールエンドベアリングは簡単に抜ける。これも新品ストックがあるが、リサイクル。ニードルローラーの回り具合をチェック。
RCバルブ下のナットが固着していて、スタッドボルトの方が抜けてしまった。仕方ないのでスタッドボルトをダブルナットで固定して、ナットを外す。このナットはどうも工場出荷時におかしく締められた感じがする。このスタッドボルトとナットは新品を注文することにした。
88NSRメンテナンス | 88NSRレストア | 90NSRメンテナンス | サーキットを走る | ギャラリー | 乗り方を勉強 | 装備を製作