リミッターを解除する
NSR250R 88年モデルのリミッター解除は簡単。コネクタを一本引き抜くだけ。まずはリアカウルを少し浮かせてテールランプ用のカプラを抜けばリアカウルが外せる。
テールランプのカプラと同じ配線の束の中に青/黒のリード線があるので、このコネクタを抜く。これはイグニッションコイルから来ているリード線で、点火パルスをRCバルブサブユニットに送っている。
NSR250R 88年モデルは、RCバルブサブユニットがRCバルブを全開しないようにしている。RCバルブは3,000rpm時に全閉で、そこから回転数が上がるにつれ開いていくが、どうも9,500rpm時に75%開度で止まるようにリミッターが設定されているようだ。点火パルスをRCバルブサブユニットに入れなければ、停止の指示が出ないので、RCバルブが100%開く。11,000rpm時で全開設定。
コネクタを抜いたら絶縁して、リミッター解除完了。これで最高出力発生の回転数も9,500rpmから11,000rpmへ移行し、パワーは公称45psから一気に60psになるはず。88本来のパワー解放だ。
リアカウルを取り付け、前後のシートを装着。
88モデルは当時、ホンダが「ぶち切れて」作った本当に過激なモデル。カタログスペック上では45psになっていたけれど、実際はそれ以上あった。死亡事故も多くて、消費者団体からクレームも付いた。リミッターを解除すると、ノーマルチャンバーでもコーナーの立ち上がりでフロントが浮いてしまって恐い。
リミッター解除をするためには、しっかりRCバルブ回りのカーボンを除去し、ワイヤーの調節も完璧でなければダメ。今回はオーバーホールして、RCバルブが全開位置に入っても引っかかりなく動くことを確認してあるので安心だ。ガソリンはハイオクを入れる。爆発力の面では不利でも、高回転時のデトネーションが恐いので保険のため。それと、長い目でみればカーボンの除去も期待出来ると思う。
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