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FブレーキマスターをOHする
2012/08/12、33,600マイル時。フロントブレーキマスターをオーバーホールする。フルブレーキ時に圧が逃げる感じがして、コントロールしづらいのが気になったからだ。リザーブタンクのフルードを吸い出し、ハンドルバーからブレーキマスター部を取り外す。そしてリザーブタンク内の汚れやシリンダー内をパーツクリーナーできれいに洗う。特にリターンポートの小さな穴がしっかりと貫通しているかどうか、フルード吹き出し避けのペラを外してよく確認。
フルードが垂れて塗装面を侵さないようにブレーキ回りをカバー。今回はインナーパーツであるフロントブレーキマスターシリンダーセット45530MA5671を新品に交換する。3,097円。
ブレーキレバーを外し、ラバーブーツも取って、中のスナップリングを外すとピストンが飛び出してくる。プライマリーカップに当たるピストン先端にはどこから来たのかゴム片が貼り付いていた。プライマリーカップもリップがかなり劣化していて、これでは圧が抜けても当然、という感じだった。リターンスプリングもヘタって5mmほど短くなっていた。
リターンスプリングにブレーキマスターピストン、スナップリング。ゴムパーツは左からプライマリーカップ、セコンダリープレッシャーカップ、ラバーブーツ。
リング型のセコンダリープレッシャーカップをピストンにセットする。向きはリップがピストン先端に向かって開くように。細いマイナスドライバーでスロープを作るようにして、レバー側から慎重にはめ込む。今回は滑りをよくするためにブレーキフルードを少しつけて作業してみた。
リターンスプリングにプライマリーカップをつけて先にシリンダー内に押し込む。プライマリーカップももちろんリップが先端に向かって開く向きで。そしてスナップリングをはめ、新品のラバーブーツをセット。あとは再びブレーキレバーをセットし、ブレーキライン等も取り付けフルードを入れる。
いままではDOT5.1のワコーズSP-Rが入っていたが、今回はモチュール ブレーキフルードDOT4を使用。エア抜きをしてこれでFブレーキマスターのOH完了だ。
VFのような口径が大きく短いブレーキマスターピストンは圧が高く、サラ型のプライマリーカップがヘタりやすいとも聞く。ちなみにシリンダー内径は5/8インチ。
OHした後は、握り始めのフィーリングは変らないものの、しっかり効き始める位置からはぐっと抵抗が増し、ストロークも短くなった。
さっそく試走してみると、やはり効きがまるで違う。握力に応じてどんどん制動力が強まるリニアな感じ。フロントフォークの入りがかなり速くなったのも、ブレーキが初期からしっかりと効くようになった証だろう。試しに思いっきり急制動をかけるとフロントフォークが底付きを起こす。これはTRACをキャンセルしているせいで、フォークスプリングがヘタっているのでは無いと思う。
VFはブレーキが効かないという先入観があって諦めていたが、今回OHをしてみると十分に効くレベル。フロントタイヤをロックさせることも出来るし、これならOKだ。そして、これで安心してバイクに身体を預けてコーナーに入って行けるようになったのが嬉しい。もっと早くブレーキマスターをオーバーホールしておけば良かった。