キャニスター取外し&ホーンの移設

2012/07/22。夏の暑さ対策として、エンジンの風通しを良くしてみる。右サイドの工具BOXはすでに外してあるが、エンジン前に居座っている2個のキャニスターがどうにもエンジン冷却に不利な気がする。
キャニスターとは排ガス規制の厳しいカリフォルニア州向けのVF1000R
に付けられた大気汚染防止のためのガソリン蒸気吸着装置だが、後付けで無理矢理付けられたので、エンジンの前面を覆ってしまうような場所に押し込められている。2個に分かれているのは、たぶんそうしないとスペース的に収まらなかったからだと思う。
カルフォルニア仕様のガソリンタンクキャップには空気穴が無く完全にガソリンタンクを密閉するようになっていて、代わりにタンク底から出たホースがこのキャニスターにつながっている。ガソリン蒸気はキャニスター内に送られ、中の活性炭に吸着される。また、キャニスターからキャブレーターへもホースがつながっていて、エンジンが掛かるとパージコントロールバルブが開き、活性炭から分離されたガソリン蒸気がキャブレーターに吸われ、エンジンで燃焼させられるという仕組みだ。
ちなみに、キャニスターには外気を取り入れる穴も空いていて、ここから新鮮な空気が吸われることで活性炭からガソリン蒸気は簡単に分離する。また、ガソリンタンクの陰圧の解消もここから入る外気でなされる。そのため、キャニスターを取り外してホースに栓をすると、タンク内が陰圧となり、ガソリンが流れなくなってしまう。

そこでキャニスターを完全に取り外すのではなく、2つの内、フロントシリンダーを覆い隠している上のキャニスターのみを取り外す。どのみち下のキャニスターはカウルの中に隠れてしまう場所にあるので、残しておいても冷却的な悪影響は無いと思う。

ガソリンタンクからのホースとキャブレーターへのホースをそれぞれ下のキャニスターに直接つなぐのだが、ホースの長さが足りないので市販のアルミパイプを切ってジョイントを作り、下のキャニスターからのホースと接続。

上のキャニスターが無くなったことで、ラジエーターホース下部にスペースが空き、ここからフロントシリンダーに走行風が入るようになった。下のキャニスターはカウルの中。これでキャニスターの容量が半分になったわけだが、大気開放よりはマシだろう。
ちなみに、カリフォルニア仕様はキャブレーターのフロート室のエアベントもエンジンが掛かっていない時は大気開放されていない。エンジンが掛かるとインテークマニホールドの負圧によってダイヤフラムのバルブが開き、エアベントが開かれる仕組み。

次はホーンの移設。VF1000Rにはヘッドライト裏にサブラジエーターがあり、ヘッドライト上の小さな窓から走行風を取り入れる。しかし、その窓の中にホーンが設置されていて、風の通り道を邪魔しているというおかしな造りになっている。いくらなんでもこれは冷却に不利な気がする。冬場はこの窓をシールして冷え過ぎを防ぐが、ということは逆にもっと風通しが良くなればより冷えるだろうという理屈。

カウル内に移設出来そうなので、ヤフオクでマルコホーン(400Hz MR-FL-04)を入手。110円。トランペット型なのでカウル外に音を出しやすそうだ。ちなみにこれはダブルホーンの低音側だが、車検に通る音量は十分確保出来ると思う。

左サイドの配線の奥に良さそうな空間があった。上部はサブラジエーターダクトに覆われているが、下部はフロントフェンダー方向に開放されているので、ここに指向性のあるトランペット型を下向きに取り付ける。

矢印のサブラジエーター取り付けボルトと共締めでマルコホーンがしっかりと留められた。まるであつらえたような寸法。スピードメーターケーブルにも干渉せず、ぴったりと入ったのはラッキーだった。

カウルを取り付けてみる。空気取り入れ窓からこのホーンが取り除かれ、いい感じで中のサブラジエーターのコアが見えた。気になるホーンの音量だが、感覚的にはカウル内に入れたための減音は無い感じ。甲高いノーマルの音に比べて、低音のマルコホーンの音量が数値的にどう出るかは分からないが、両方を録音しておいたモノ聞き比べてみてもけっして音が小さくなったとは感じないのでOK。

そして、肝心のキャニスター取外し&ホーン移設の効果は・・・試走した時が外気温25℃と低めだったので、はっきりとは分からなかったが、水温計は8分目以上には上がらず、いままでより確実に冷えているという印象。もともとこの86は熱対策が進み、オーバーヒートなどしないけれど、これでより夏の暑さに強いVFになったと思う。

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