FRPカウルを補修する
ロアカウル右のメンテナンスリッドにある取付穴が2つとも欠けていた。これではクイックファスナーのクリップをつけても、欠けたところからファスナーボルトが抜けてしまってまったく役に立たない。この穴をなんとか補修しなければ・・・。
カウルの素材はFRPなので、ホームセンターで買ってきたFRP補修キットを使うことにする。A剤B剤とガラスクロス、ヘラ、紙ヤスリが入って100gセット1,480円。3枚重ねで10×40cm分。ほんの少しの欠けを直すだけなのでこんなFRP補修キットで十分だと思う。
まずは紙ヤスリでFRPの表面を削って食い付きを良くする。強度を考えたら両面から新しいクロスで挟むのがいいのかも知れないが、今回は裏から当てるだけにする。しっかりとくっつくように表面を削るわけだ。
念のためアセトンで拭いて、汚れや油分を完全に取り去っておいた。タイヤの「皮むき」用に買っておいたこのアセトン。本当はFRP製作時の洗浄剤なのだ。
反対側に当て物をする。表面の仕上がりはどうでもいいので、簡単にアルミホイルを当てて、さらにガムテープでペタ。
付属のガラスクロスを適当な大きさに切って用意しておく。これはハサミで簡単に切れる。今回は説明書通り3枚重ねでやってみたが、少し厚みが出過ぎな感じ。2枚くらいでちょうど良かったかも知れない。周りを適当にガムテープでマスキングしておく。
A剤のエポキシ樹脂とB剤のポリチオール・ポリアミンを同量混ぜる。冬は硬化が遅いけれど、それでも混ぜたら出来るだけ素早く作業を済ませる。塗布は30分以内(夏は5分以内)、張り重ねは60分以内(夏は10分以内)とのこと。今回は一気に3枚貼る分を混ぜて作業するので余計だ。広い面を作業するなら本来、1枚貼る毎に混合液を作るようだ。
最初に混合液をFRPに塗り付けておいて、すかさずガラスクロスを載せてヘラで押し付ける。クロスの隙間から混合液がにじみ出てくる感じだ。さらに混合液を盛って2枚目を載せる。同じように3枚目も。
硬化する前に周りのマスキングを取り去っておく。完全に硬化するとくっついて取れなくなるからだ。3枚重ねるとけっこう厚い。強度は十分だと思う。硬化するまで24時間放置。ストーブやドライヤーを使うともっと硬化を早めることが出来るようだ。
クリップを奥まではめ込むため、少しカウルをカットする。FRPはヤスリで簡単に削れる素材だが、粉がたくさん出そうなので、今回は100円ショップで買ってきたカッターをハンドドリルに付けて一気に切り取る。
ファスナーボルトの通る穴を開ける。まずは5mmのドリルで穴を開けてみたが、まだまだ径が小さかったのでヤスリで拡大。
こんな感じでクリップを装着。クリップと穴の位置がぴったり合うようにカウルの切り込みをヤスリで微妙に修正。これで完成。アッパーカウルを被せてそして写真のリング付きファスナーで留める。デイトナクイックファスナー、2個入りで1,680円。カウル厚6〜7mm、穴径6mmに適合。
裏からみた様子。かなり厚みもあってしっかり補修出来た。厚みのある分クリップもしっかり固定出来ている感じだ。
アッパーカウルを取付けたところ。リング付きのファスナーはレーシーでいいムードだ。ちなみのアッパーカウルの補修跡は前オーナーによるもの。もう少し仕上げがきれいだと良かったが、まァ、いつかペーパーで削ってもう少し見栄えを良くしてみよう。
リッドとロアカウルの接合も金具がなかったので、新たにクリップナットを入手。これはNSR50用の5mmのクリップナット。これを3箇所はめ込んで、トラスコネジでリッドを取付けることにした。もしかしたら緩み止めにゴムパッキンをかませた方がいいかも知れない。
ロアカウルとフレームを固定するビスも無かったので、手持ちのリアカウル固定用のボルトを流用することに。これはヘッド部分が広くてちょうどいいのだ。水道の蛇口用ゴムパッキンをこれにかませる。少し穴が大きかったのでビニールテープを巻いておいたが、やはりボルトからパッキンが外れない方が整備の時に楽なのだ。
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