サスペンションをグリスアップする
長い間動かしていないバイクなので、リアサスペンションのリンケージをグリスアップするとかなり良いらしい。まずは三角形のクッションアームプレートを外そうとしたが、このナットが緩み止めタイプでソケットレンチではナメそうになってしまった。そこでKTCの17ミリメガネレンチを購入。なんでもメガネレンチが一番ナメにくい工具だとか。これで一気に力をこめるとあっさりと緩んでOK。
まずは全部のナットを緩めておく。コンロッドボルトのフレーム側のナットだけ右側だったのでコチラを回す。ボルト・ナットはナットの方を回すのが基本だ。
本来はフレームを吊るわけだが、ここで裏技。ギアを1速に入れてリアタイヤを固定しておいて、このリアタイヤの上に車載のパンタグラフジャッキを載せフレームを押し上げる。フレームには長いアンカーボルトを渡しておいて、ここにジャッキをかませるのだ。ジャッキの頭の凹みにしっかりボルトが入るし、タイヤのゴムの弾力でかなり安定する。これでリアフレームを吊ったのと同じようにリアサスがフリーになるのだ。
さっそくコンロッドボルトやクッションアームプレートを取り外す。上にちらっと見えているのはリアクッションのロアボルト取り付け部。このあとアッパボルトも外してリアクッションを取外す。また、せっかくリンケージ回りが外れたので普段手が入らない箇所を洗浄しておいた。
クッションアームプレートやボルトを灯油、パーツクリーナーで洗浄。さすがに下回りだけあってジャリジャリといった感じだったが、これでスッキリ。
リアクッションの二ードルベアリングにモリブデングリスをたっぷりと塗り込めた。モリブデングリスは耐圧性があると思うが、耐水性はあまりないはず。ここは一般のマルチグリスの方が良かったかも知れなかったが今回はモリブデングリスでいくことに。シールのリップ部にもたっぷり塗り込める。
コンロッドにもニードルベアリングが使われている。まずパーツクリーナーで古いグリスを全部流し出してみた。
そしてコンロッドのベアリングにも同じくモリブデングリスをこれでもか、というくらいにたっぷりと塗り込んでおいた。もちろんシールのリップ部にも。シールはゴムなのでシリコン系のグリスでないとまずい気もするが、まァ大丈夫だろう。一箇所、リップ部が崩れていたのはたぶん取り付け時のミスだ。防水やゴミの侵入を第一に考えたらマルチグリスの方がやはり良かった気もする。
リアクッションアッパボルトを取付ける。17ミリのボックスレンチで。締め付けトルクは6.0〜7.0kg-m。ボルトにはすべてマルチグリスを塗り付けておいた。これで少しは防水、錆び止めになるはずだ。
クッションアームプレートを「→F」マークをフロントに向けてセットし、コンロッドやリアクッションロアボルトを取付ける。これらの締め付けトルクは全て4.5〜5.5kg-m。17ミリのボックスを使いトルクレンチで締め付け。取付ける順番はどうでも良さそうだ。最後は少しジャッキで車体を上下させて穴の位置を合わせればぴったりと元通りに組み付け出来る。
クッションアームプレート一番上のアームボルトだけはスイングアームとの間隔が狭過ぎてトルクレンチが入らない。ここだけは手の感覚で締め付けて終了。さて、これでグリスアップ完了だが、またがってスイングアームを動かしてみた感触は確かにいい感じ。初期の柔らかい動きが出てきて、いかにもリアクッションが働いている感触が伝わってくる。リンケージ式は小さな動きが増幅されてスイングアームの大きな動きになるわけで、やはり微妙な潤滑の違いも問題となるということか。
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