エンジンを始動させる
外しておいたJhaチャンバーを取付ける。取り付けは2本のスプリングで。100円ショップで見つけたフックを使ったら便利だった。今回、フランジに液状ガスケットなどは塗らないでおく。何度も外したりするサーキット用では排気系になるべく何も塗りたくはない。それに全開走行前提なのでそんなにオイル漏れはしないと思うのだ。
そしてラジエータを取り付け。車体横に出ているブリーザホースやドレンホースなどはカウルに取付けたそれぞれのキャッチタンクの中へ。
ラジエータに水道水を入れる。サーキットではレギュレーションでクーラントが使えないことになっている。クーラントはコースにこぼれると滑ってしまうからだ。そこで水を入れる。これだとシリンダ等が錆びるので、走行後は水を抜いて保管しなければ。
バッテリーを新品に交換。MFバッテリーに電解液を注いで20分。その後栓をして終わり。ヤフオクで88用に買っておいた古河電池のFT4L-BSバッテリーを使用。ブランド品なのに1900円でめちゃ安。これなら充電器を買うより新品をどんどん買い換えていった方がお得。
取り付けば丸いゴムバンドをホームセンターで買ってきて、ステンレスワイヤーで輪にして2本セット。これでバッテリーがしっかり留められる。
取り付けはプラス側のターミナルから。外す時は逆にマイナス側のターミナルから。普通、プラス側には赤いビニールカバーがあってショートを防いでいるが、これには付いていなくてちょっと不安。ちなみにこの90SPはHRCのワイヤーハーネスに換えられているが、ジェネレーターからの配線はあるし、たぶん走るとバッテリーは充電されると思う。
タンクキャップの鍵穴にはメインキーが差し込まれ頭を折られていた。キャップを開ける時は鍵穴にマイナスドライバーを差して回す。ガソリンを入れる前にタンクキャップ回りのゴミをパーツクリーナーできれいに洗い流しておいた。中に雨水や溢れたガソリンを抜く穴が空いているので安心してプシューッ。ちなみに88NSRは空気抜きのパイプがタンクから出ているが、90NSRはこのタンクキャップの下に空気穴が開いていて、タンク内が陰圧になるのを防いでいる。
コイツはAV(アブ)ガス仕様なので、AVガスを売っているガソリンスタンドを探して18リットルを入手。名古屋市昭和区の壇渓通に1店、扱っているシェルがあった。1リットル340円ナリ。青い色をしているのが特長で、4エチル鉛が添加されオクタン価が103程度と高い。本来は航空機(aviation)用のガソリンで、2ストロークエンジンにこのAVガスを使うとデトネーションが起きにくく、圧縮比を高めて理想的な燃焼を追求することが出来るのだ。また鉛は潤滑作用があってクランクベアリングなどの寿命を延ばすとも言われている。しかし、環境問題からMFJのレースレギュレーションで1997年から使用が禁止。それでも、圧縮比を高めてあるこの90NSRレーサーに無鉛ハイオクを使うとたぶん焼き付くので、AVガスを使うしかしょうがないのだ。
AVガスに2ストロークオイルをあらかじめ混ぜて混合オイルを作る。使用する2ストロークオイルは定番のカストロールA747。たしかHRCでもこれが推奨オイルだったはず。1:30でいくことにする。純正のGR2も分離給油ならいいが、混合で使用するとどうもエンジンが焼き付くらしい。
ジョッキに5リットルのAVガスを用意し、ここに167ccのカストロールを入れる。メスシリンダー内に残ったオイルにはガソリンを注ぎ返し、洗うようにしてきっちり全部をガソリンと混ぜて正確な混合比を出す。
AVガスとカストロールを撹拌してよく混ぜる。ジョッキの先にはガーゼを取付け、これで一度ゴミを濾すようにする。ジョッキ内の汚れや、混ぜている時に入ったゴミなどがそのままキャブレータに流れていくとトラブルになるからだ。
こんな感じで先端のガーゼで濾しながらガソリンタンクに燃料を注ぎ込む。タンク内にはぎっしり防爆材が詰めてあるが、けっこうスムーズに入っていった。
燃料コックをリザーブの位置にして、キルスイッチをON。ちゃんとRCバルブサーボの動く音が聞こえた。チョークを使い、キックを数回。そしてついにエンジン始動。ずっと眠っていたマシンが目覚めた瞬間だ。メインジェット190で、濃い目のセッティングにしてあるせいか11,000rpmぐらいまでしか回らない感じ。でもパワーはかなり出ているフィーリング。さて、これから少しずつセッティングを出していくことにしよう。
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