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ドライブプーリーを削る
エンジンのチューンはいちおう終わりとして、今度は駆動系のチューンに移る。まずはドライブプーリーでの無段変速をめいっぱい使えるようにする。ドライブプーリーに付けたマジックの印が消えたところまでドライブベルトが上がって(押し出されて)いる。ベルトがここからさらに端まで上がればそれだけ「ハイギア」になって最高速度が上がるハズ。
ドライブプーリーとドライブプーリーフェイスを当てて「最高速度」状態を見てみる。間隔が一番狭まってドライブベルトが一番端へ押し出される状態。
ドライブベルトをかけてみると、ちょうどマジックで印を付けたところに来た。つまり、ドライブプーリーとドライブプーリーフェイスがこの位置でつっかえているので、これ以上ベルトは上がらないということ。DJ-1R購入当初、いろいろウエイトローラーを変えてドライブベルトを端まで使おうと実験してみたが、無駄なことだったようだ。
ドライブプーリーが一番押し出された状態の時のランププレート。裏から覗いてみると、まだウエイトローラーが外に移動出来る余裕があった。ローラーガイドが加工されて「延長」されてはいたが、結局これも役に立っていない状態。
ノーマルのドライブプーリー。この「山」の先端を削り込んで、「最高速状態」の時のプーリーフェイス面との間隔を狭めるようにする。
CRC5-56をつけ砥石を使って2mmほど削り込む。平らになるように少しずつ向きを変えてゴシゴシ。仕上げは400番の耐水ペーパーをガラス板の上に敷いて、ここに擦りつけて磨いておいた。
こんな感じに、中央の真鍮のスリーブの端が表面に出るまで削る。でも、これはちょっと平面が広過ぎた。平面部分を少なくし、なおかつ深く削り込むためにはすり鉢状に削ってやった方が良さそう。
ドライブプーリーフェイスに当ててドライブベルトをかましてみると、ここまでベルトが上がるようになる。
さっそく試走してみると、平地で65km/h、下り坂で最高8,980rpm、75km/h弱をマーク。
プーリーをチェックしてみるとほぼマークが消え、端ぎりぎりまでドライブベルトが上がっているのが確認出来た。これよりさらにドライブベルトをはみ出させれば、当然さらにハイギアにはなるが、エンジン回転が落ちるので一概に最高速度が上がるとは限らないと思う。それと、ケース内側にベルトが擦る問題を解決しなければ・・・。
最高速はともかく、出足がややもたつくのは、やはりプーリーの形状が悪かったからだと思う。とりあえず対応するドライブフェイスの斜面でベルトは登っていくようだが、改良してみる。万力にプーリーボスを挟んでプーリーが回転する状態で固定。このプーリー側面に電動ドリルのチャック部分を当てて回転させておいて、リューターに付けた砥石を逆回転で押し当てプーリーの斜面を削ろうというモノ。いわば「なんちゃって旋盤」。
リューターは砥石よりもサンドペーパータイプの方のがうまく削れた。斜面を削るのはかなり難しいが、この方法ならOK。平面部分を出来るだけ少なくしてベルトがかかりやすくなる形状に削り込む。
最後は青棒で鏡面仕上げにする。これも電動ドリルでプーリー自体を回転させながら行なう。両手を器用に使わなくては・・・。
仕上がったスペシャルプーリー。これで試走してみると出足もバッチリ。さらにウエイトローラーを7.0gのモノに変えてみると、下り坂で9,140rpm、75km/hオーバーをマーク。加速途中も8.0gの時は7,500rpm程度だったが、8,500rpmに上がった。少し軽いウエイトローラーで回転を高めた方が最高速も上がるようだった。