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ディオのリードバルブを付ける
DJ-1R初期型のスチール製のリードバルブを樹脂製のタイプに換えようと計画。6ポートになって0.5PSアップしたDJ-1R後期型はリードバルブも樹脂製のモノになっていた。樹脂製リードバルブ化はパワーアップの「キモ」かも知れない。まずはヤフオクでキジマの「DJ-1」用社外品リードバルブをゲット。ところがこれが幅が狭くて流用不可だった。
次に、同じ3枚羽根の樹脂製リードバルブが使われているディオ(AF18)のリードバルブベース(リードブロック)を落札してみた(800円)。右がそれだが、リードバルブ固定用ビスが3本になっていて台座の形状も微妙に違う。
一番大きな違いは台座の厚み。DJ-1Rは4.9mm、AF18は9.8mm。4.9mmほどAF18の方が外に飛び出す。ということはインテークマニホールドもそれに続くキャブレータも位置が4.9mm上がるということか・・・。
吸気ポートを見るとガスケット上面からポート上端まで7.7mm。DJ-1Rのリードバルブベースだと開口部が10.3mmの位置に付くため、ポートの上部が2.6mm塞がれることになる。一方、AF18は6.4mmなので、1.3mm分ポート上面を削ってやると目一杯ポートを使えそうだ。
四角い開口部は右のAF18の方が縦に2.5mmほど短い20.0mmになっていた。ただ、マニホールドからの混合気の流れがちょうど当るような位置にずらしてあったので、これでもいいのだろう。それにヘタに大きくすると今度は流速が落ちる弊害もあるハズ。
台座の取り付け穴が微妙に違うので、最初はポン付けは無理だと思っていたが、穴の遊びの分で、AF18のリードバルブベースがそのまま4本のボルトで付いてしまった。これはラッキー。ただ、リードバルブ取り付けビスの設置幅が広いので、マニホールにあるナットの逃げの溝をリューターで広げておいた。これでDJ-1Rの樹脂リードバルブ化OKだ。
マニホールドを取り付けてキャブレータも装着。台座が厚くなって4.9mm位置が高くなったため、キャブレータがキャブレータボックスにはまらなくなってしまった。これはキャブレータボックス前側のボルトを外して位置を微妙にずらして対応。
さっそく試乗してみると、パワー感がアップして、発進でフロントがリフトしそう。最高速度も下りなら70km/hまで伸びた。樹脂製リードバルブはスチールより軽くて復元力も強いので結局よく「振える」ということなのだろうか。吸気ポートが結果的に広がったせいかも知れない。ちなみに、リードバルブが上に引き上がった分、一次圧縮は微妙に下がっているはずだ。
もっと性能をアップさせてみようと、リードバルブスペーサーを付けてみることにする。0.5mmのアルミ板を9.0mm×37.0mmに切り出して、ヤスリで整形。ビスの通る穴を電動ドリルで開けて製作。
リードバルブの上にリードバルブスペーサーをセットし、そしてリードバルブガイドを装着。0.5mm厚分、リードバルブガイドがオフセットされて、リードバルブがより開くという考え。
さらに樹脂製リードバルブの先端を短くカットして「運動性」を上げてみる。スチール製リードバルブの時は有効だったようだが、はたして・・・。
ヤスリでリードバルブの先端を削って、アールも元のように付けておいた。
AF18のリードバルブベースにはちゃんと「ゴム引き」がされていた。スチール製のDJ1-Rのモノには無かったので、やはり樹脂製リードバルブを使うならリードバルブベースも専用のモノを使うべきかも。いったん取り付けてチェックしてみると、リードバルブ根元付近に当る部分が変にコーティングされていて、取り付けるとそれがテコの支点のようになってリードバルブ先端が開いてしまう状態だった。コーティングのカスを丁寧に削るとちゃんと密着してくれた。
リードバルブスペーサーを装着し、短いリードバルブを付けたリードブロックが完成。これで試走してみると、残念ながら効果はまったく体感出来なかった。もちろん、樹脂製リードバルブに変えた分の性能アップはそのままだが・・・。