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レース前の整備する

2007/11/3(土・祝)の3時間耐久レースに向けてTZR50Rの整備を始める。まずはリアサス交換。デイトナのゴツいサスが入っていたが、シートを押すと間髪入れずに跳ね戻ってカツン。完全に抜けていてダメだ。そこで、以前ヤフオクで購入しておいた9,000km台の4EU用純正リアサスに交換することに。

リアフレームに当て木をして、リアタイヤの上に置いたパンタグラフジャッキで押し上げる。これでリアサスへの荷重が無くなって、取り外すことが出来るようになる。

さくっと交換。純正ながらしっかりダンピングが効いていて、これは良い感じ。よくもまァいままで「抜けサス」で走っていられたものだ、とその違いにびっくり。

カウルはガムテープで補修してあるだけなので、これを直すことにする。

ガムテープを取るとバラバラに。まずは破片を合わせておいて、裏からハンダごてで溶かして接着する。断面の上をぐるぐる混ぜながら溶かすような感じ。これでABS樹脂が解け合って固まり、一応くっつく。

ただ、それだけでは強度がないのでピアノ線で補強しておく。波形に曲げたピアノ線をコンロで熱して接合部分に押し当てて埋め込む。ハンダごてをピアノ線に当てておいても熱でABS樹脂の中にめり込んでいく。これで少々カウルが曲がっても割れることはないはずだ。

さらに上からプラリペアを盛って、ピアノ線を完全に埋め込んでおいた。これでかなり強度が増したと思う。

白い塗装がされていたフロントフェンダー。たぶんアクリル塗料だと思うが、ところどころ剥離してしまっていて汚い。いっそ全部剥がして、素材の赤色を出して仕上げることにする。スクレーパーで擦るとボロボロと塗装が落ちた。

カッターの刃を立てて塗装の残りを削ったあと、#400、#800のサンドペーパーをかけて仕上げる。最後にアーマーオールで艶を出して、これでOK。

ゼッケンベースが黄色だったので、レギュレーションに合わせて白くしておいた。ついでに縁取りも3mmのスリットテープを貼ってくっきりと。

ミッションオイルも換えておく。暖機したあとドレンボルトを抜いてオイルを抜く。けっこう汚れていたし、冷えた状態でもレベル点検窓に油面が出ていなかったから、量も少なかったようだ。

ホンダのウルトラG2(10W-40)を入れる。TZR50Rの規定値は750mlだが、完全には抜けないので入れたのは650mlほど。エンジンをいったんかけて、再度レベル点検窓でチェック。

ドレンボルトとフィラーキャップ共、ワイヤーロックをしておく。ワイヤーツイスター大活躍。

チェーンにも汚れが溜まっていて、砂も噛んでいるようなので洗浄する。クリップを外してガソリンに浸けてナイロンブラシでゴシゴシ。ノンシールチェーンだから出来る荒技だ。本当は灯油の方が良いらしいが、ガソリンの方が乾きが速いのでコチラで。火気厳禁。とっても危険。二回ガソリンで洗ってようやく汚れが落ちた。そのあとパーツクリーナーでチェーンに残ったガソリンをきれいに飛ばしておいた。

クリップ式ジョイントなのでチェーンの脱着は楽。クリップは必ず切り欠けの無い方をチェーンの回転方向に向けて装着。

チェーンオイルをたっぷりと吹きかけたあと、布でしっかりと余分なチェーンオイルを拭き取っておいた。チェーン全体に油分が行き渡り防錆にもなる。

きれいになったチェーンとドリブンスプロケット。ドライブスプロケットは11T、ドリブンスプロケットは48Tが付いている。ノーマルは12T、47Tだからかなり加速重視のセッティングだ。

キャブレータもチェック。ニードルのクリップ位置は上から3段目。これはセッティングする時も基本的に触らないでおくようだ。

フロート室内のゴミを捨てて、メインジェットをチェック。フロートの動きも問題なかった。メインジェットは#100。ちなみに94年モデルまでのノーマルジェットは#80。95年モデル以降は#100。

フロントブレーキのパッドを交換。ほとんどパッドのベースしかないようなひどい状態だった。まずはキャリパーを外す前にパッドピン緩めておく。そしてキャリパーボルトを外してブレーキキャリパーをフォークから取り外す。

TZR50Rは片押し式のピストンだ。いっぱいまでブレーキピストンが飛び出ているので、ピストンを中性洗剤で良く洗ったあと、#2000のサンドペーパーにCRC5-56を付けて円周方向に磨いておく。錆付いているので、このまま押し込むとピストンシールを傷付けてしまうからだ。きれいに磨いたら点錆のエッジも引っかからなくなって、これでたぶんOKだ。

ブレーキフルードのリザーバーのフタを開放してから、ピストンを押し込む。ピンク色のガードは社外品のリザーバーガード。バックミラーのボルト穴を流用して取り付けられているが、ヤマハ車はここが逆ネジになっているので注意。ピストンを押し込む分、ブレーキフルードを少し抜いておく。

古いブレーキパッドを当てがって、ウォータープライヤーでピストンを押し込む。これで新品の厚いブレーキパッドが入る。板状のバッドスプリングも忘れずに装着。

純正のブレーキパッドキット4KJ-W0045-00を入れることにする。上下のエッジをヤスリで5mmほど大きく落としておく。ブレーキディスクプレートの方に段差が出来ているので、こうしないとパッド面がしっかりと当らないのだ。キャリパーに組み込んでフロントフォークに取り付け。引きずりがないか、ホイールを回転させてチェック。

フロントフォークもオーバーホールしてこれで完成。フロントもリアもしっかりダンピングが効いていい感じ。エンジンの始動もOK。明日のレースに間に合った。

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