X-Twelveを塗装する
SHOEIのX-Twelveを塗装する。15/04/23完成。
ディフューザー類を全て外し、#800のサンドペーパーで足付け。角部分はすぐに下地が出るので強く当てないように気をつける。フチゴムは取らずにマスキングをしてまずはクリエイティブカラー アクリルスプレーのファイアーレッドを吹き、1日置いてウルトラマリンを吹く。マスキングテープのフチの粘着ゴミに注意。吹く前に掃除機でホコリを取っておく。塗装後マスキングテープは出来るだけ早めにはがす。その際テープは真後ろに引っ張ってはがすこと。
ディフューザー類は、出来るところは#800のサンドペーパーで足付け。そしてプラスチック用プライマーを吹いておく。塗装前の脱脂にも留意。缶スプレーなので圧力を高めるために必ず湯煎しておくこと。1日以上乾燥させてから、塗装のエッジ部分を#1500のペーパー等で軽く削って均しておく。
アクリルスプレーを厚塗りした場合は乾燥を十分にさせ、溶剤分を飛ばしておく。その後、イサム塗料のウレタンクリアを吹く。今回は気温15℃。この気温なら問題なく塗装出来た。まずは薄めに吹いてアクリルカラーを覆う。最初から大量にウレタンを吹き付けると、ウレタンの溶解力は弱いもののアクリルをにじませる可能性がある。パラ拭き感覚で一度吹き、15分くらい乾燥させてから後は一気に厚塗りで仕上げる。缶を近づけて垂れる寸前まで吹いて艶を出しておかないと後で磨き出すのが手間。ただし、液が残り少ないと泡状にウレタンが飛び出すことがあり、これが気泡になって固まると、あとで磨いても白濁したままになってしまう。絶対に最後まで使い切らないよう注意。
ヘッドのSHOEIマークはドライヤーで暖めていったんはがして流用。サイドのマークはSHOEIに頼んで非売品のマークを送ってもらった。
ウレタンクリアを吹いてから5日置いた後、研磨する。まずは#1500のペーパーで艶を消すような感じで。#2000では細か過ぎた。そのあと細目コンパウンドで磨くが、ペーパーだと角への辺りが強いのでなるべく早めにコンパウンドに切り替える。また、ウレタンが厚塗りされていない場合だとすぐに下地が出てしまうので、角は極力擦らないようにする。特にアクリルカラーも薄塗りの場合は白地まで出てしまいレタッチが必要となる。そして最後は鏡面仕上げの液体コンパウンドで磨いて塗装工程は完了。ディフューザー等にはペーパーを使わず、最初から細目コンパウンドを使い、鏡面仕上げのコンパウンドで仕上げる。
YDSマークはカッティングシートで製作。真ん中の赤はあとでペイント。
ヘタをしてウレタンを削り過ぎてしまい、下地のアクリルまで削れて白地が出てしまったらレタッチする。ただし、研磨したウレタンは薄くなっているし、また柔らかい表面になっているので溶剤を通してしまう。上からアクリルカラーを加筆すると強い溶剤が下のアクリルを溶かしてしまう。この時、薄皮のように上に被ったウレタンクリアーは溶けないため、しわやちぢみ(リフティング)が発生してしまうのだ。また、両面テープでも同様の現象が起こるので、必ずパッチテストをする。たいてい3日間さらに乾燥させればウレタンが強い皮膜となるので大丈夫だ。
ちなみに、1回目のウレタン塗装では、下のアクリルが溶けてもウレタンもまだ溶けた状態なのでリフティングは起こらない。中途半端な硬化の際、上からウレタンやアクリルで2回目の塗装するとリフティング現象が起きる。このサンドイッチリフティングに注意。リフティングタイムを回避出来ればアクリルカラーでのレタッチもOK。さらにアクリルクリアを塗って磨き出せばレタッチ部分の耐久度が増す。
磨き出したウレタンクリア表面の完全硬化を確認したら、強力両面テープでディフューザー類を貼り込む。内装の頬パッドの接着は信越化学工業のKE45B-100を使用。
このX-Twelveはディフューザー部分が多いので、ウレタンクリアをもう1本使った方が良かったかも知れない。通常なら1缶で丁度良い。また、ディフューザーは足付け無しでプラスチック用プライマーのみで大丈夫かも。そして、ヘルメット本体も足付けなしでプライマーでいけたらとても作業が早くなるのだが、この辺りの検証は出来ていない。
●塗料/イサム塗料ウレタンクリア、クリエイティブカラーアクリルスプレーファイアーレッド、ウルトラマリン、ブラック、アサヒペンプラスチック用プライマー
●マスキング/3Mマスキングテープ、ニチバンクリアーラインテープ曲線用3mm幅、曲線用5mm幅
●接着剤/3M超強力両面テープ1mm厚、3M超強力両面テープ0.6mm厚、エーモン両面テープ0.8mm厚、信越シリコーンKE45B-100
●研磨/#800、#1500、99工房細目コンパウンド、99工房液体コンパウンド超鏡面用9800